いつか海外で働きたいという夢を叶えるため、20代半ばで初めての転職=海外就職をされた内山さん。タイ・バンコクにある通信社で営業として働いた3年間のタイ生活を経て、2021年1月に日本へ帰国されました。
今回は、タイでの就職を決めた経緯や転職活動方法、タイでの生活や今後のキャリアについてインタビューしました。
海外就職を決めた理由
Q.タイに来る前はどんなお仕事をされていましたか?
A.大学を卒業したのち、新卒で成田空港の外資系航空会社のグランドスタッフとして2年半働いていました。日本語と英語で出発・到着業務やお客様のクレーム対応をしていました。
Q.そこから海外で就職するに至った経緯を教えてください。
元々、小学校から中学にかけて3年間父親の仕事の都合でタイ・バンコクに住んでいました。当時からタイの文化やのんびりした雰囲気は好きで、メーカー勤務の父の働いている様子も目にして印象に残っていました。その経験もあり、幼少期から漠然と海外で働きたいと思っていました。
「海外就職かワーキングホリデーかで迷っていた」
空港の仕事は、英語も使いますし外国人のお客様とやりとりはあるのですが、やはり実際に海外に出て生活してみたいという気持ちが強かったです。
実は、海外就職だけでなく、英語圏でのワーキングホリデーも検討していました。
ですが、JACタイのコンサルタントの方に相談したところ、「英語を使って」「働く」経験がしたいのであれば、自身のキャリアに繋がる現地採用という働き方があるよ、と勧められました。このアドバイスに背中を押された気がします。
タイでの転職活動
Q.海外就職を決意してから、どのような流れで転職活動をされて内定を得られたのですか?
空港の仕事がちょうど契約満了になったので、退職して海外就職に専念できるようにしました。
2017年9月頃にJACリクルートメントの海外就職セミナーに参加したり、自分で調べて日本国内で海外に行けるチャンスのありそうな企業を受けたり、カナダの留学サポートの仕事へ応募したりしました。
JACタイに登録して、キャリア面談をしてもらう中で、元々想定していた事務職だけでなく営業職を勧められたのは新しい発見でした。未経験だったので不安もありましたが、既存顧客への営業メインであればやってみたいと思い、いくつか応募しました。
最終的にご縁があった通信社の面接は、全3回。最終面接は、タイ・バンコクで実施されました。渡航費自己負担でタイまで行くことになったので当初は驚きましたね。逆に覚悟や志望度も固まってきて、せっかくなら同時にマレーシアで進んでいる企業の面接も対面で受けようと思い、タイ滞在中にマレーシアにも飛びました。今思えば、そのフットワークの軽さを面接官である当時の社長に褒められたので、大事な要素だったかもしれません。
「タイに到着したその足でJACのオフィスに来てくださいましたね。」
はい、当時の担当コンサルタントの方に「今から面接できる企業があれば受けたいです!」と前のめりでお願いしました。直前すぎて調整しきれませんでしたが、そのくらいエネルギーに溢れてましたね。
その最終面接のあとに内定をいただき、入社を決めました。
タイでのお仕事内容
Q.どんなお仕事かを教えてください。
タイ・バンコクにある日系通信社で営業として入社しました。日本人の営業は自分ひとりなので、日本人総合窓口として、新規および既存顧客の営業から顧客サポート、年6回ある会員向けイベントの運営を行います。
日本語のニュースやビジネス情報を必要としている方が顧客になるので、業界業種問わず幅広いお客様と接点を持てるのが面白みがありました。
Q.未経験で営業へのチャレンジでしたが、大変だったことや苦労したことはありますか?
日本では、サービス業の経験しかなかったので、営業として名刺の渡し方から勉強しました。周囲はタイ人ばかりですし、日本の新卒とは違い丁寧な研修もないので、受け身の姿勢ではだめですね。自分なりに本を読んで勉強したり、お客様にご指導いただいたりしながらトライ&エラーを繰り返して一人前になったと思います。
Q.それでは、タイ就職で身に付いたスキルや得られた経験はなんですか?
ざっくりした表現になりますが、適応能力・コミュニケーション能力が上がって、ビジネスパーソンとしての基礎を固められたと思います。もちろん英語・タイ語能力も上がりました。
通信社での営業では、企業の社長やマネージャーなど自分よりも一回り二回り上の方に意思決定をしていただく必要があったので、企業の事業内容や組織構成や今後の展望などをしっかり把握したうえでのコミュニケーションを意識していました。経営層の方々とも物おじせずに接することができたのは大きな成長だと思っています。
空港の仕事も楽しかったのですが、あのまま外の世界を見ることなく20代を過ごしていたらと思うと、タイでの3年間は自分を公私ともに成長させてくれたと思います。
Q.タイでの休日はどのように過ごしていましたか?
おしゃれな日とそうでない日があります(笑)
日本人の友達とウィークエンドマーケットで買い物をしたりカフェに行ったり。そうでない日は、朝起きたらそのまま家の前の屋台でごはんを買って、自室でひたすらNetflixを見るなんてこともよくあります。週一でタイ語教室にも通っていました。週末旅行も行きやすいので、パタヤやサメット島に行ってダイビングを楽しんだりしていました。
3年間のタイ就職を経て日本へ帰国
タイに来る前から3年は働こうと思っていました。ちょうどタイで出会ったパートナーが日本での仕事が決まったことがきっかけで、同じタイミングで帰国することになりました。
Q.今後のキャリアについてはどう考えていますか?
タイ就職を通して、幼少期からの夢を叶えてしまったので、次のステップを考えている最中です。
ただ、タイでの経験や英語・タイ語のスキルは無駄にしないようなキャリアを選んでいきたいです。具体的には、かつての自分と同じように海外留学や就職にチャレンジしようとしている人のサポートをする仕事に興味を持っています。
「最後に、タイ就職を検討している方にメッセージをお願いします」
海外就職で迷っている方でも、初めての一歩を踏み出しやすい国だと思います。3年間、タイという国や生活が嫌だと思ったことは一つも思いつきません。
ただ、サバーイ(=心地良い)な環境なので、目標がないとだらだらと住み続けることができる国です。それもとても素敵だと思うのですが、もしチャレンジ精神を持ってタイ就職するのであれば、仕事の成果や語学力やタイムリミットなど何かしらの目標や期限を持っておくといいと思います。
タイという異国で働いている・生活しているというリスペクトの気持ちを常に持って、タイの文化や考え方を知っていくことが大切だと思いました。時には、タイのやり方に驚くこともいらだつこともあるかもしれません。私もタイに来る際のビザ取得手続きを通して、心が折れる瞬間があり、ある意味覚悟が決まりました(笑)
タイは、多くの日本人が暮らしていて、日本では得られない機会や出会いがあります。ぜひひたすらに楽しんでほしいです。
編集後記
幼少期の夢を叶えて、タイで3年間自分の力で働いて暮らした経験が自分の糧になったと語る内山さんの姿はとてもキラキラしていました。営業未経験という大変さも、努力と周りを巻き込む力で乗り越えていかれたところに、内山さんの強さとしなやかさを感じました。今後の日本でのご活躍も楽しみです。今回はありがとうございました!